過渡特性を考慮したATMのレート制御
                今井 悟史 
ATMビットレートサービスには様々なサービスがある.
中でも,ABR (Available Bit Rate)サービスは他のサービスで使用しない帯域を利用する.その利用帯域に従ってセル転送レートを変動させることができるため,輻輳状態に
応じたセル転送レートの調整が可能である.ATMでは,RMセルを用いたフィードバック型のレート制御が行われている.
しかし,既に提案されているフィードバック型のレート制御では,ABRの利用可能な帯域が変動する場合や,競合するコネクション数が変動する場合において,バッファ内セル滞留量の過渡状態が振動的になる.
本研究では,ATMスイッチのバッファ内セル滞留量に目標値を設定し,伝搬遅延時間を考慮したPID型制御則と,フィードフォワード制御を用いることによって,ABRの利用可能帯域変動の影響を抑制し,コネクション変動による過渡特性を改善する方法を提案する.