学籍番号 | 90129126 | 所属研究室 | 井口研 |
氏名 | 野 田 隆 史 | ||
タイトル | 撮像素子の能動制御による効率的な3次元画像計測 | ||
1.はじめに アクティブビジョンは効率よく高精度に対象の情報を得るための手法であり,カメ ラの位置や撮影方位を最適に制御するさまざまな方式が提案されているが,依然とし て撮像素子は常に一定の速度・解像度の画像を送り続ける装置として扱われ,最適化 されているとはいえない.そこで本研究では撮像素子から画像を読み出す領域を能動 的に制御することにより,計測精度を保ったまま計測速度を向上させる方法について 提案する. 2.システム概要 本システムではスポット光投影によるアクティブステレオ法により,動物体の三次 元の位置姿勢を計測する.また,カメラの光軸が基線と垂直となるように装置を配置 する.これにうより,任意のエピポーラ線はカメラの画像平面上ですべて平行とな り,スポット光の探索はこの平行線上のみで行えばよい. 本システムでは,撮像素子を制御することにより部分読み出しが可能となるCCDカ メラ「EDC-2000N」を使用する.この部分読み出しは任意の複数行の信号のみをCCDか ら読み出す機能である.この機能を用いるとエピポーラ線上の画像のみを読み込むこ とが出来,画像の読み込み時間を短縮することができる. 3.実験 本システムの有効性を示すため,既知の立方体の運動を追跡した.まず,立方体に グレイコードパターンを投影することによりキャリブレーションを行う.次に、立方 体の3平面にスポット光を3点ずつ合計9点投影する.このとき,各スポット光に対応 するエピポーラ線が重ならないようにスポット光を配置する.そして,スポット光を 含むエピポーラ線上の画像のみを入力,処理することにより物体の位置姿勢を検出 し,その計測速度,計測精度を検証した。 追跡速度を測定した結果、画像の読み出し時間は10.3msとなり,81.1cycles/secで物 体の位置姿勢の追跡を行えた. 4.まとめと今後の課題 画像の読み込む領域を9本のエピポーラ線上の画素に限定することにより,解像度 を同一に保ったまま計測速度を向上することができた. 今後は,CMOS等の任意の画素について部分読み出しを行うことのできる撮像素子を 用いて,効率的な計測を行っていく予定である. |