ファイルの使用履歴を用いたデスクトップファイルの自動整理

谷内田研究室  山田 真史

1.はじめに

コンピュータ上で作業を行なっていると、だんだんと使用するファイルが増え てくるだろう。この時にファイルをきちんと整理していないとデスクトップ上 にたくさんのファイルが置かれたままになってしまう。もし過去に使用した ファイルを使いたい時にその名前を忘れてしまうと、多数のファイルを開い て中身を確認するという面倒な作業を課せられてしまう。 そこで本研究ではファイルの使用履歴を用いてデスクトップファイ ルの自動整理を行なうことを目指す。ファイルの使用履歴にはユーザにとって のファイル間の関連性が隠されていると考え、この履歴を文章とみなすことで 文章における単語の関係や重要さを自動表示するKeyGraphによりファ イルの自動整理を行なう手法ついて述べる。

2.システムの概要

ファイルの使用履歴はユーザがコンピュータ上で行なってきた作業の歴史を表 していると考えることができる。なぜなら文章はいくつかの説明的な文の集ま りに支えられて著者の主張する考えが述べられている。 これと同じようにファイルの使用履歴は近い時点で用いられることの多いファ イルの集まりがユーザの土台となる行動を表している。またそれらの行動に支えら れて最終的な目的を達成する、つまり重要なファイルを使用する と考えられる。このようにファイルの使用履歴 の構造は文章に似ているのである。 また今回使用したKeyGraphとは、文章からキーワードを抜きだしその関連性を 用いて二次元グラフ表示するアルゴリズムである。 このKeyGraphを用いることでファイルの使用履歴か ら重要なファイルとその関係を抽出することができ、ユーザにとってのファイ ル間の関連性を抜き出すことができる。そのためファイルの検索やデスクトッ プファイルの自動整理システムとして有用な効果を得ることができる。

3.ファイルの自動整理の方法

ファイルの使用履歴にはユーザにとってのファイル間の関連性が表されている と考えられる。またこの履歴は文章と構造が似ているため、文章中のキーワー ドに当たる部分がこの履歴の中ではユーザにとって重要なファイルであると考 えられる。 このような考えから、KeyGraphにファイルの使用履歴を入力することでユーザに とって重要なファイルとその関係が得られる。ここで、デスクトップ上に出力 すべきファイルの数はユーザによって異なる。 そのため表示するファイルの数はユーザ自身が設定するようになっている。 実際の出力では、幾つかのノードと各ノードを結ぶリンクからなるグラフが表 示される。各ノードが重要なファイルを表し、関連の 深いファイルの間にリンクが張られている。このグラフでは各 ファイル間の関係によりいくつかのクラスタに分類されている。各クラスタは 関連の深いファイルの集まりと考えられるが、実際にこれらはユーザにとって 関連の深いファイルであった。 このようにデスクトップファイルの自動整理が行なえることが確認された。

4.結論

本研究では、ファイルの使用履歴にはユーザにとってのファイル間の関連性が 隠されていると仮定している。そしてその履歴をKeyGraphに入力することで 重要なファイルとその間の関連性を抜きだしデスクトップ上に二次元グラフ 表示する。このような方法でファイルの自動整理を行なうシステムを開発した。