人間協調型ロボットYYOUの開発
谷内田研究室  西岡 良記

1.はじめに

我々の研究室では人間との共存、人とのコミュニケーションが可能な自律型知能ロボットとして、人間協調型ロボットYYOUを開発している。本報告では人間協調型ロボットYYOUの全体構成に付いて報告する。



図1 研究用ロボット YYOU


2.メカニズムの構成

図1に示すように人間協調型ロボットYYOUは首、肩、腕の3つの部分からなる。首部は3自由度を持ち、任意のの方向へ頭部を向けることができる。頭部に関しては、将来各種センサが搭載される予定である。腕部及び肩部分には、通常の人間型ロボットと同様に3つの関節部分に各々2自由度で6自由度と、さらに体の中心軸に旋回機構を持つ関節を左右各々1つもち、合計7自由度をもつ。これによって指先は任意の姿勢をとることができる。ここで、肩部は旋回運動をするが、その回転軸は通常の人間型ロボットとは異なり、ロボットの中心軸上にある。このような構造をとることで、腰の旋回運動と等価な役割を果たすことができる。さらに双腕協調動作だけでなく、各々が独立したエージェントとして動作する場合でも可動範囲が大きく取れる利点がある。

3.制御システムの構成

計算機にはロボット用インターフェイスボード (RIFー01)が搭載されており、モータドライバへの指令入力や、エンコーダからの位置情報等の信号を処理をしている。エンコーダからの情報は、RIFボード上に搭載しているUPP(ユニバーサルパルスプロセッサ)で処理され、位置情報をあらわす。図2にシステムの構成図を示す。


図2 制御システムの構成


4.ソフトウェアの構成

モータやモータドライバ、エンコーダのタイプや制御方法などは、一台のロボットでも様々である。従って、モータ制御を行う場合、各関節ごとに個別の制御用関数を用意していたのでは効率が悪い。そこで、ユーザにとってそれらのことを意識せずにプログラミングできる環境、すなわちソフトウェアドライバを用意する。ここでは、ソフトウェアドライバを図3にしめすような階層的な構造で作成する。例えば、図中にある最も基本的なレベルの関数であるWrite_DAはモータへの指令電圧を与え、Read_UPPはエンコーダ情報を読み込む。その上位の層でWrite_DAやRead_UPPなどを使うことによって、速度制御、位置制御、トルク制御などのソフトサーボが構築される。


図3 ソフトウェアの構成


5.おわりに

本報告では、人間協調型ロボットYYOUの全体概要、特に、制御システムの基本構成について報告した。